Cancersに学術論文受理:癌の骨転移治療薬Denosumabと顎骨壊死発症との 因果関係に関する新学術知見!

2020年5月10日

当講座の大学院医学系研究科医科学専攻博士課程の大熊里依先生らの学術研究論文が、現在癌(がん)に関する学術雑誌として高い注目を集める学術雑誌Cancers(IF: インパクトファクター6.162)にアクセプト受理掲載内定(2020年5月10日付け)を頂きました。

全身に出来る様々な癌の骨転移治療に対する大変優れた治療薬としてRANKLを標的としたヒト型モノクローナル抗体製剤;分子標的治療薬のDenosumab(商品名ランマーク)があります。この薬は、癌の骨転移があると、患者さんが骨の激しい痛みにおそわれたり、骨転移部で骨折をおこすことが多くなり、これにより患者さんの日常生活の質QOLは著しく低下してしまうことが知られています。こうした骨転移病変が起きるのを抑えたり、症状の悪化を抑える素晴らしい治療薬であることが知られています。

一方で、この治療薬の副作用有害事象の一つに、顎骨壊死(あごが腐る)を生じることがあり、われわれ口腔外科医にとっては多く治療に当たらせていただく病態です。今回われわれは、このDenosumabによる顎骨壊死発症率を明らかとし、さらにこの顎骨壊死をきたす可能性のある要因(全身及び局所の原因)を検討し、各々の癌の治療薬に加え、患者さんの歯や歯ぐきの歯周病と、歯の根尖病巣(根尖性歯周炎)が、この顎骨壊死の発症に深くかかわる可能性を明らかとしました。

すなわち、このDenosumabは大変優れた骨転移病変への治療薬ですが、この薬の良さを活かし、さらに少しでも顎骨壊死の副作用を減らすためには、普段からのかかりつけ歯科や、われわれ病院歯科口腔外科の口腔外科専門医らとも連携した全身の癌患者さんの口腔管理と口腔ケアの重要性について明らかとした、本邦初の臨床研究成果です。

今後も全身の癌骨転移を治療される患者さん方の、“口からの食事を美味しく楽しく”のお役に立てるよう、当院歯科口腔外科と口腔ケアセンターは努力を重ねてまいります。

教授 管野貴浩

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