~桜咲く春は別れの季節~

2022年3月22日

この度、4月から東京医科歯科大学へ赴任するために3月末をもって退職致します。島根大学医学部歯科口腔外科学講座には2018年4月からお世話になり、4年間医局長を務めさせていただきました。まずは管野貴浩教授をはじめ、全ての医局関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。

振り返れば4年前に来雲した私は不安と期待で胸がいっぱいで、毎日緊張していたことを思い出します。若輩ながら少しだけこの4年間を振り返ってみたいと思います。

臨床について、赴任した当初はたくさんの口腔外科手術の介助に入らせていただきました。やはり百聞は一見に如かず、実際の手術を間近で多く経験したことは、臨床のみならず研究のアイデアを生むためにも役に立ちました。その後は管野教授のご高配を賜りまして、口腔ケアセンターの副センター長を拝命して、センターの立ち上げ業務にあたりました。今までは自身の知識・技術の向上を目指し、「いかに患者の口腔を管理するか」を考えていました。しかし、マネジメントする立場となってからは意識が変わり、「いかに病院全体の口腔を管理するか」という広い視点で物事を考えられるようになり、スタッフの力を最大限に引き出すシステム、コミュニケーションに注力しました。そのためプレイングマネージャーの在り方を深く考えることができ、知識や技術のみならず、人間としても成長できる機会をいただきました。

研究について、この4年間で論文を執筆するスピード、質の両方が自分でもわかるくらい向上しました。管野教授をはじめ講座の皆様にご指導、ご助力いただいたからこそ得た能力であると確信しています。また一方で、研究業務で大切にしていたのは自分だけが良い思いをするのではなく、得た能力を次の世代につなげていくための指導にも後半の2年間は注力できたと感じています。30代は研究適齢期との言葉もあるので、今後もさらなる研鑽を積んでいきたいです。

医局長として、これまで医局に属したことのなかった私にとっては、正直なところ完全に自己流であるため、果たして良い医局長であったかどうかはわかりません。しかし、私は医局長業務が好きでしたし、それゆえに全力投球できたことは確かです。また、この医局長業務が私を大きく成長させてくれ、医局内外の多くの人々との大切なつながりを産んでくれたことも確かです。

したがって、島根大学医学部歯科口腔外科学講座の皆さんから医療を、医学をより良くするための勇気と自信をいただきました。

以上、私の4年間の振り返りでしたが、唯一の心残りは、COVID-19により皆様とお酒を飲むほとんどの機会が奪われたことです。また来雲する際には、ぜひご一緒させていただけたらと思います。

これまで異質な経歴をもつ私を快く受け入れてくださり、活躍・存在する場を与えてくださった全ての方々に感謝致します。4年間、本当にありがとうございました。

低頭。

助教・医局長 松田悠平

 

この3月末日をもって、われわれの医局長・助教を務めて下さっていた松田悠平先生が、母校でもある東京医科歯科大学歯学部口腔保健学科へ栄転移動されることとなりました。

先生とは、2018年4月1日付けでの歯科口腔外科・口腔ケアセンターに着任いただいてから、臨床・研究・教育そして講座運営と一緒に苦楽と喜怒哀楽を共に歩んで参りました。とくに口腔ケアセンターでの周術期等口腔機能管理や臨床から得られたデータをもとにした数々の新たな学術知見の国際学術論文への発表は大変素晴らしく、輝かしい業績を着実に築いてこられました。また各種統計学的手法を応用した疫学研究に対する着眼点と研究の発想は無類の創造性を有しており、わたしも先生との研究活動は楽しく進めさせていただきました。本年度の島根大学医学部附属病院病院長賞を受賞されましたことは、先生のこれらの顕著な実績への賜物であります。

4月からも、特別研究員そして臨床講師として、われわれの講座や診療科と引き続き共同研究や地域社会事業を、東京と島根の地でともに継続させていただきます。引き続きご交誼のほどよろしくお願いいたします。

また、長年にわたり医学部歯科口腔外科学講座事務員として初代吉村安郎教授の時代から、講座業務を支えて下さった桑原泰子様も、2018年4月より再雇用職員としてさらに4年間、講座医局事務官を継続くださっておりましたが、この3月末日をもってご退職されることとなりました。本当に長年にわたり講座および医局員を支えて下さりお世話になり深謝いたします。ご健康に留意され、益々のご多幸ご健勝を願っております。

教授 管野貴浩

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