国際口腔がん学会第9回学術大会・2023 IAOO Incheon, Seoul, Korea

2023年11月4日

2023年11月1日〜4日に、韓国(仁川グランドハイアットホテル)にて開催されたIAOO(International Academy of Oral Oncology)に参加し、QOL and Public Healthのセッションの座長と自身の演題発表「Elucidation of associated factors related to postoperative oral dysfunction in oral cancer patients: structural equation modeling」を行って参りました。このセッションでは口腔外科医、頭頸部外科医などの他、顎口腔機能のリハビリテーションや摂食嚥下などを専門とした言語聴覚士が発表しており、口腔癌治療のリハビリテーションやサポーティブケアのあり方について1時間程度の発表とディスカッションが行われました。他の多くのセッションが口腔癌の治療学的な内容であるのに対して、本セッションでは多職種連携などがメインであったため、座長を務めながらも自身にとって大変勉強になるとともに、改めて自分のスペシャリティ(専門性)について考えさせられました。また、口演発表のほうでは口腔機能の測定方法や測定のタイムポイントについて多くの質問があり、聴衆の方々も興味を持っていらした印象でした。他のセッションを聴講していると、口腔癌治療は日々進化していることを感じる一方で、サポーティブケアについてはまだまだ課題と改善の余地があることを感じました。この経験を早速明日からの臨床にフィードバックしていきたいと思います。

また、国際学会での座長は初めての経験でした。各国の医療事情が異なる中で、1つ1つの発表をコンパクトにまとめつつ、セッションの方向性を一定方向に導く難しさを感じました。最近話題の言葉を使用すると「ファシリテーション力」と言うのでしょうか、まだまだ自身の未熟さと伸び代を感じた次第です。

余談ではありますが、滞在期間中には以前からの仲である大韓歯科衛生士会会長らが食事会を開いていただき、日韓歯科衛生士の協力体制構築に向けた交流を行いました。渡航前から食べたいと希望していたカンジャンケジャンも存分に楽しむことができ、英気を養うことができました。

学会中には管野教授の多くの国内・国外の知人と共に会食にも参加でき、出会いと交流の輪を広げられました。日本の口腔癌治療を俯瞰して見ることができ、自身の役割もクリアになりました。今後も少しでも口腔癌に苦しむ方々に良い医療が届けられるように尽力して参る所存です。会期中に良くしてくれました皆様に感謝いたします。

講師・医局長 松田悠平

11月1日(水)–4日(土)まで、上記インチョン国際空港の近隣にある、グランドハイアットホテルにて開催された、国際口腔がん学会2023 (IAOO) Incheon, Seoul, Koreaに光栄にも召喚いただき学術講演を担当してまいりました。

この国際口腔がん学会 (IAOO) は、口腔がん治療にかかわるわれわれ口腔外科医、耳鼻咽喉科・頭頸部外科医、放射線治療医、がん化学療法内科医、腫瘍内科医、形成外科医等からなる世界最大の学術団体であり、2年に一回国際学会が学術の祭典として開催されています。3日(金)には、Round Table WorkshopとしてGingival Cancer Around the Dental Implantに関して、登壇し、口腔がん治療においてインプラントを用いた顎口腔機能と顎顔面形態再建が極めて重要であること、しかしながらインプラント周囲炎は、2次がんを誘発する可能性が高いことなどを講演いたしました。韓国、台湾の旧知の口腔外科医とのセッションでありましたが、講演後には終了し切れないほどの多くの質問や議論がなされ、このテーマの重要性が窺えました。4日(土)には、アジア口腔顎顔面外科学会の日本代表演者として講演の機会を頂き、シンポジウム Topic: Current Advances in the Management of Oral Cancer and Pre-cancer in Asiaに関して、Current Advances in Treatment of Oral Cancer for the Elderly and Young Adults in Japanと題して、すなわち超高齢社会の本邦での口腔がん治療と近年注目される若年者の口腔がん治療について詳説して参りました。

今後も高齢社会の波が世界の潮流となる中で、世界をリードする本邦の現状に関して、こちらも大変多くの質問と、建設的討議を行うことができ有用な機会でありました。この世界の口腔がん治療の学術祭典をとおして、世界の他領域の医師との協議や討論など極めて有用な学術交流が行え、さらには自らの勉強の機会となりました。教室の松田悠平講師の口演発表も非常に好評を頂き、われわれも今後も患者さんの治療と研究活動に邁進してまいります。

教授 管野貴浩

 

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