南インド国際医療連携と国際口腔外科学教育 その2

2020年2月5日

2月4日には、古都マイソールから大都市バンガロール・ベンガルールに陸路にて戻ってまいりました。本日は、市内のがんセンターの視察に参りました。本邦をはじめ先進国では、頭頸部がんは全身のがんの約4%で、さらにわれわれが日々治療に当たらせて頂く口腔がん患者さんは全身の約1%にすぎません。一方こちらインドでは、頭頸部がんが全身のがんの約30%を占め、さらに口腔がんは最も多く、何と全身のがんの内で約25%が口腔がん患者さんとのことでした。これには、劣悪な口腔や歯の環境と国民の口腔管理意識の低さの問題と、何より噛みたばこの根深い習慣に起因しているとのことでした。
膨大な患者さん方へ、口腔外科医・歯科医師の積極的な口腔がん治療と国民の口腔保健への取り組みにも関わらず、改善にはさらなる取り組みが不可欠であり、インド−日本両国の口腔外科学会を中心に学会レベルでのさらなる学術連携が締結されました。また、今後の若手医師の研修や専門医教育についての研修施設視察を行わせて頂きました。
本日5日は、インド−日本を中心とした南アジア口腔外科学およびインプラント学に関する学会の立ち上げ記念式典および第一回の学会が、本邦バンガロール総領事やインド政界からのご列席のもとに盛大にとりおこなわれました。
今後も島根での地域に根ざした口腔外科診療の提供に全力を尽くして参るとともに、国際連携による口腔医療の展開に努めて参ります。学会終了後に帰雲への途につきます。

准教授 管野貴浩

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